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2021年07月13日(火)

養蜂家やっすんコラム vol.2 『ミツバチたちの生活環境』

ミツバチたちの生活環境

日本の夏はとても暑いです。雨の季節もあり湿度もとても高くなります。
不快指数という言葉もあるように、蒸し暑い夏が嫌いだという人も少な
くはないでしょう。
大家族で暮らすミツバチにとっても過酷な季節が始まります。

ミツバチには、体温を作り巣の中の温度を一定に保つ能力があります。
鳥たちが卵を抱くように、赤ちゃんを効率よく育てるため卵や幼虫を
暖めるのです。
また寒さ厳しい冬には、互いに肩を寄せ合って暖め合います。
驚くことに、私達の体温ほどの温度で巣の中も保つのです。

では暑い暑い夏にはどうするのでしょうか・・・。
なんとミツバチたちは、保温能力と同時に冷却能力も持っているのです。
扇風機係の働き蜂たちが巣の入り口で盛んに羽ばたき、巣の中の空気を
換気します。
また、水を汲んで来て巣の中に打ち水をすることも出来るのです。
素晴らしいことに、ミツバチは送風と気化熱を利用することで巣がオー
バーヒートするのを防いでいるのです。

しかし、気温以外にも夏の厳しさはあります。
植物たちにとっても日本の夏は暑いもので、春から続いてきた花々の
リレーも夏になると一旦スローペースになります。
もちろん夏に咲く花もありますが、ミツバチ大家族の食卓を支える為に
は大量の花が必要なので、ともすればごはん不足になってしまうのです。

通常、女王バチは一旦産卵ペースを落として、離乳食の花粉の消費を抑
えます。
また大人たちは春からコツコツと貯めておいた蜂蜜を食べて夏をしのぐ
のですが、夏までに養蜂家が欲張ってハチミツを絞りすぎたりすると大
変なことになってしまいます。
「美味しい蜂蜜はミツバチたちの大切なごはん」ということを忘れない
ように採蜜することが大切ですね。

                   k.yasuda

ミツバチの巣