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2021年09月14日(火)

養蜂家やっすんコラム vol.3 『来客たちへオアシスを―』

元来、日本の気候は世界的に見ても過酷な環境にあたります。
一見穏やかに巡る四季があるように思えますが、日本の夏は高温多湿になるため、
在来植物たちの顕花数が少なくなりがちで花粉も不足しやすいのです。
大家族で暮らすミツバチにとっては一番厳しい季節が始まりました。
このところ雨が続きます。
長雨が続くとミツバチもなかなか外に出られません。
晴れ間があっても、花蜜は薄まりますし、花そのものが流されてしまうこともあります。
夏の希少な蜜源・花粉源植物を目指す昆虫たちも苦労していることでしょう。

蜂と花


花粉の貯蔵が減ってしまうとミツバチは幼虫を育てることができません。
女王バチの食事であるローヤルゼリーは元をたどれば花粉でできています。
働きバチが花粉をローヤルゼリーに変換して、せっせと女王バチに与えるのです。
ローヤルゼリーは我々の世界でいうミルクにあたります。
ミツバチの世界では、娘のミルクでお母さんを養うのです。
栄養不足の女王バチは産卵することができないのです。
このミルク(ローヤルゼリー)は女王バチだけでなく、卵から孵ったばかりのすべての
幼虫たちの離乳食でもあります。
ミツバチの赤ちゃんは、お姉さんのミルクで大きく育つのです。
ミツバチにとって一番大事な栄養源である花粉が欠乏すると、女王バチも卵が産めなく
なりますし、生まれてきた赤ちゃんも大きくなれず死んでしまうのです。
僕たちも晴れ間をみて巣箱の点検をするのですが、花が足りてないぞという声が聞こえ
てきて少し申し訳ない気持ちになるものです。

蜂と向日葵2


蜜源・花粉源になる花は、主に樹木の花です。
草花に比べて圧倒的に花数が多くまとまって咲いているため、効率主義のハナバチたち
にとっては最高の宴席となります。
派手ではないので見逃してしまいそうな野山の木々や草花にいまいちど目を向け、感謝
する心掛けが必要だなと思うのであります。

お庭やベランダなど空いたスペースに花を植えるのも、僅かながらではありますが昆虫
たちの手助けになるのかもしれません。
暑い夏に咲く園芸種も多くはないですが、ハナバチやチョウたちのオアシスを作ってあ
げるのも良いですね。

                                                                                                            k.yasuda

蜂と向日葵1