近年では、スーパーや土産物店などで販売されているはちみつのパッケージで、「1歳未満の乳児にはちみつを与えないでください」という表記を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
記載されているように、1歳未満の乳児には、はちみつは厳禁です。インターネットの普及により、さまざまな子育てサイトなどでも特集されるようになり、多くの方がご存知かもしれませんね。
仮に、一歳未満の乳幼児がはちみつを摂取してしまうと、便秘や、ほ乳力の低下、全身の筋力低下であったり、脱力状態、麻痺、といった症状が起きる場合があります。
その症状のほとんどは、適切な治療をうけることで治すことはできますが、場合によっては重症化や、死亡する恐れもあります。
2017年には、日本でも死亡例が出るなどの悲しい事象も。そのため、小さなお子様がいらっしゃるご家庭などでは、乳児がはちみつを摂取しないように適切に管理し、注意していくことが必要です。
「加熱してあれば大丈夫」の考えは注意。
「芽胞」は、酸素の少ない状態で発芽して増殖し、極めて強い毒素を産生します。
また、芽胞の状態では、一般的な細菌と異なり、100°C数分間の加熱でも生き残ることがあります。
ボツリヌス菌は乾燥や熱に強く、川や海をはじめ湿った土壌に広く存在しています。酸素の少ない状態でも増殖し、強い毒素をもっています。
また、100°Cの温度で数分間加熱しても生き残るとも言われ、通常の加熱調理で死んでしまうとは限りません。
そのため、はちみつ入りの飲料、加工された菓子類に使用されたはちみつであっても、一歳未満の乳児には与えないよう注意してください。誤って保護者が乳児に食べさせてしまったという事例では、カステラなどの甘いお菓子にはちみつが使用されていることをしらずに食べさせてしまった事例や、離乳食ではちみつを使った梅干しを与えてしまったといった場合が多いようです。
食べさせてしまった!どうする?
仮に口にしてしまった場合は、まずその後のお子様の様子を見ましょう。
「ボツリヌス菌」の潜伏期間は3日〜30日と言われています。上記で紹介した「乳児ボツリヌス菌症」の症状が見られたり、お子様の状態がすこしでも変だなと感じたら、かかりつけの小児科医に相談したり、診察へ出向き適切に治療してもらいましょう。
はちみつは1歳をすぎてから
はちみつは栄養価が高くビタミンやミネラルを含んでおり、妊娠中や高齢者の方も摂取可能な食品です。また、はちみつの栄養素が子供の生育に良い効果を出すという研究も報告されています。 1歳以上になったら安心してはちみつを召し上がっていただけます。
カレーライスやパンケーキなど、子どもが好きな料理や食品に使用して食べさせてあげるのもいいですね。もし、はちみつを摂取してもいいかどうか心配な場合は、一度かかりつけの小児科医や、まちの保健師などに相談してみることをおすすめします。