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【プロポリス】について

健康食品や美容化粧品などの成分として知られ、近年様々な効果があるとして注目されている「プロポリス」。
今回は、ミツバチの作り出す自然の恵み、プロポリスについて詳しくご紹介します。
成分や効能、摂取方法、注意点などをまとめて解説していきますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

【プロポリス】ってどんなもの?

プロポリスとは、セイヨウミツバチが巣作りの際に作り出す天然物質のこと。
ギリシャ語の「プロ(pro)」=「守る」、「ポリス(polis)」=「都市」という言葉から由来して、「都市(巣)を守る」という意味です。

このプロポリスは、粘度が非常に高く「蜂ヤニ」とも呼ばれ、木の芽や植物から採れた樹液や樹脂とセイヨウミツバチの分泌物から生成されます。
ニホンミツバチをはじめとするトウヨウミツバチはプロポリスを利用せず、代わりにグルーミングして蜜蝋を利用しています。

私たちは普段プロポリスを食べ物として認識していますが、セイヨウミツバチにとっては食料ではなく、外敵や雑菌などから巣を守る「抗菌パテ」のようなものだと言えるでしょう。
収穫したプロポリスを巣内に貯蔵しておき、巣の増設や補強のほか、一定の大きさ以下の通路を塞いで外敵の侵入を防止したり、雑菌の繁殖を防いで巣内の清潔環境を維持したりすることに使用されます。

プロポリスはとても希少価値が高く、人為的合成が不可能で年間の採取量は1群あたり約100~200g前後。
プロポリスの風味はセイヨウミツバチが採集する植物の樹脂によって異なるため、産地などによって様々ですが、一般的には苦みや酸味のある味で特有の香りを持っているのが特徴です。

プロポリスは紀元前3,000年頃からすでに利用されてきたという長い歴史がありますが、日本で着目されたのはわずか30年前のこと。
1985年に名古屋で開催された「第30回国際養蜂会議」において、プロポリスの有用性が初めて紹介されたことで研究が盛んに行われるようになり、その効果について今日まで様々な研究結果が報告されています。

【プロポリス】の成分

プロポリスの成分は、セイヨウミツバチが集める樹脂の種類によって変化しますが、おおよそ一般的には以下のような割合で構成されています。

このように、プロポリスはほとんどが油脂で構成されているのが特徴です。
栄養成分においては桂皮酸誘導体やポリフェノールをはじめとして、アミノ酸やビタミン・ミネラルの他、微量のものまで含めると約300種類以上。

プロポリスは原料となる起源植物や産地によって、成分量や色・香り、含まれている栄養などの特徴が異なり、様々な種類が存在します。
その様々な種類の中でも、とりわけ良質であるとされるブラジル産プロポリスは、セイヨウミツバチの性質を活用した収穫に尽力していて、キク科のバッカリス由来のものは特にフラボノイドなどのポリフェノールが高いことで有名です。

また、ヨーロッパ産や中国産のプロポリスに比べて、アルテピリンCなどの桂皮酸誘導体を豊富に含んでいることも明らかになっています。

【プロポリス】に期待できる効果

「天然の抗生物質」とも呼ばれるプロポリスは、抗菌・消炎作用に優れていることで知られていて、自然治癒力を高める効果があるとされています。

東ヨーロッパでは伝統的に薬用として用いられるほど、怪我や病気の治療に優れた効果を発揮するとされ、古くからとても親しまれてきました。

また、抗菌力が高いということから、古代エジプトではミイラを作る際の防腐剤に使用されていたようです。

プロポリスに期待できる効果は、主に次のようなものがあります。

  • ・抗菌・抗炎症および抗腫瘍作用
  • ・老化や生活習慣病などの予防
  • ・血圧や血糖値などの正常化
  • ・体脂肪の低下
  • ・風邪の早期回復
上記のように、プロポリスには健康に嬉しい様々な効果が期待できるとされ、今日までに様々な学術的研究でそれが証明されているようです。
順を追って、このあとご説明していきます。

抗菌・抗炎症および抗腫瘍作用

プロポリスに期待できる効果として最も大きいのは、優れた抗菌作用、抗炎症作用、抗腫瘍作用です。
古来より医薬品や怪我の処置薬として利用されてきたという歴史があります。

1991年に開催された「第50回日本癌学会総会」では、国立予防衛生研究所(現・国立感染症研究所)の松野哲也氏の発表により、プロポリスに抗腫瘍活性をもった物質が含まれていることが明らかになりました。

その後の林原生物化学研究所における研究結果では、プロポリスの抽出物からマクロファージ活性や抗菌性などがあることが報告されています。

また、1994年の「第15回日本臨床薬理学会」において、プロポリスを投与した臨床病理実験で炎症の低減が認められ、プロポリスに抗炎症効果があることが発表されました。

老化や生活習慣病などの予防

プロポリスには、抗酸化機能を助けて老化を予防する効果も期待できます。
岐阜大学において今井博士氏らの研究グループが試験を行ったところ、プロポリスの抗酸化機能が確認されました。

この研究報告からプロポリスが酸化ストレスを緩和させ、老化や生活習慣病などの様々な病気の要因となりうる活性酸素の働きを抑えられることが明らかになっています。

血圧や血糖値などの正常化

プロポリス抽出液を投与した実験結果において、プロポリスには血圧や血糖値を調節しながら代謝を促進できる効果があると報告されました。
また、糖尿病の初期症状であるインスリン抵抗性を改善する機能があることも判明。

プロポリスを摂取することによって血圧や血糖値を正常に保ち、糖尿病を予防する効果も期待できます。

体脂肪の低下

プロポリスの摂取によって、コレステロールを作り出すタンパク質を減少させたり、中性脂肪の蓄積量が減少させたりすることが確認された学術的な研究結果も認められました。

この報告で脂質代謝を改善する働きや脂質吸収を阻害する作用が明らかになったことによって、プロポリスには体脂肪を低下させる効果があると言われています。

風邪の早期回復

プロポリスは風邪の回復を早める効果もあるとされています。
日本人約60名を対象とした試験の結果、プロポリスを摂取した方が風邪の治り早く、倦怠感の軽減効果があったことが明らかになりました。

プロポリスエキスを60日間継続して投与した場合、投与しない場合と比べてより早く体のだるさを軽減し、風邪の治りを早める可能性が認められています。

【プロポリス】の摂取方法

プロポリスの摂取方法としては、主に次のようなものが一般的です。

原液 サプリメント 食品 美容化粧品

現在は様々な摂取方法があり、プロポリスの原液を抽出してそのまま液体タイプで販売されているものや、カプセルにエキスが配合されたサプリメントも販売されています。
特有の風味が気になる方は、プロポリスが含まれているお菓子などの食品や美容化粧品などもあるので、ご自身のお好みに合わせて取り入れるのがおすすめです。

【プロポリス】の注意点

最後に、プロポリスを摂取する際の注意点をご紹介します。
プロポリスはまれにアレルギー反応として発疹やかゆみ、腹痛などの症状が起こることがあるので注意が必要です。
アナフィラキシーショックを起こす可能性もあるため、特に喘息や食物アレルギーなどがある場合には、摂取を控えるようにしてください。

各商品が記載している目安の容量を守って過剰摂取は避け、身体のコンディションを十分に考慮しながら、様子を見て取り入れていきましょう。

【プロポリス】は優れたパワーを持つ自然の恵み!

本記事ではプロポリスがどんなものなのかをご紹介するとともに、成分や効果・効能、摂取方法の他、注意点について解説しました。
プロポリスの摂取方法は様々で、ぜひご自身のお好みで合ったものを少しずつ取り入れることで健康や美容に嬉しい効果が期待できます。
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