【はちみつ】のひみつ
- 【はちみつ】のひみつ
- 日本における【はちみつ】の歴史
- 各国の【はちみつ】文化と風習~食べ方・使い方~
- 「フランス」での【はちみつ】の食べ方・使い方
- 「イタリア」での【はちみつ】の食べ方・使い方
- 「中国」での【はちみつ】の食べ方・使い方
- 「ニュージーランド」での【はちみつ】の食べ方・使い方
- 「ハンガリー」での【はちみつ】の食べ方・使い方
- 「ブルガリア」での【はちみつ】の食べ方・使い方
- 【はちみつ】が出来るまで
- 「製造・加工方法」で分類される【はちみつ】
- 純粋はちみつ
- 精製はちみつ
- 加糖はちみつ
- 【はちみつ】の種類と特徴
- 【はちみつ】に期待できる「効果・効能」
- 疲労回復
- 風邪の予防
- オーラルケア
- 整腸作用
- ひみつを知れば【はちみつ】がさらに美味しく!
目次-------------------
透き通る琥珀色がキレイな、甘くて美味しいはちみつ。
スーパーなどでいつでも気軽に購入することができて、日頃から慣れ親しんだ食品の一つですよね。
身近にあるとてもポピュラーな食品ですが、それゆえ、はちみつ自体について知る機会というのは少ないのではないでしょうか。
普段何気なく使っている食品にこそ、意外と知らない「ひみつ」が隠れているものです。
ここでは、はちみつの歴史や文化、製造工程、種類や効果・効能など、はちみつの持つ「ひみつ」についてクローズアップしていきます。
ぜひ、ご一読ください!
日本における【はちみつ】の歴史
まず、日本でのはちみつの歴史について紐解いていきましょう。
日本におけるはちみつの軌跡をたどると、大化の改新があった643年(皇極2年)頃までさかのぼります。
日本書紀には、日本での養蜂発祥の通説として、百済国最後の王である義慈王の王子、「余豊」が、奈良の三輪山で養蜂を試みたものの、結局失敗に終わってしまった、という話が記載されていて、当時からミツバチの存在が確認されていました。
はちみつも、その頃から食べられていたのではないかと推測できます。
その後、奈良時代~平安時代に突入すると、はちみつは国内外の貢物として献上されるようになり、とても貴重な品物として扱われ、当時は薬としても使用されていたようです。
日本ではちみつの生産がスタートしたのは、養蜂が本格的に行われるようになった江戸時代。
ミツバチに関する生態や養蜂技術にまつわる様々な本が出版され、養蜂が普及していきました。
明治時代になると、セイヨウミツバチの養蜂・繁殖の成功に伴い、欧米の優良品種のミツバチを輸入して盛んに養蜂が行われるようになり、日本の種蜂改良と養蜂技術が発展、はちみつがさらに普及していくようになります。
大正時代には伝統技術として有名な「転地養蜂」という技術が確立して、養蜂産業の基盤が整っていきました。
日本のはちみつが、初めて輸出されるようになったのもその頃です。
昭和に入り、戦時中や戦後の自然環境の悪化などの厳しい問題を乗り越え、平成に入り「養蜂振興法」が改正。
現在では自然環境やハチの生態系保全を図る取り組みとともに、全国の養蜂家が日本の美味しいはちみつを守っています。
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≪参考リンク≫
- 一般社団法人 日本養蜂協会「日本の養蜂の歴史」
各国の【はちみつ】文化と風習~食べ方・使い方~
世界各国では、はちみつはどのように食べられていたり、使われたりしているのでしょうか。
ここからは、国ごとに異なる文化や風習をご紹介します。
「フランス」での【はちみつ】の食べ方・使い方
まずフランスでは、朝食としてパンにはちみつを塗って食べるのが定番のスタイルです。
フランスのカフェやホテルでは、「タルティーヌ」というオープンサンドとともに、はちみつが添えられてくることが一般的なようです。
また、有名なデザートとして、はちみつをかけて食べる「フロマージュ・ブラン」というものがあります。
「イタリア」での【はちみつ】の食べ方・使い方
イタリアでは、チーズにはちみつをかける風習が根付いています。
代表的なのは、ゴルゴンゾーラやクワトロフォルマッジなどのピザに、はちみつをたっぷりかけて食べるスタイル。
日本のイタリアンレストランでも、よく見かけるメニューですよね。
「中国」での【はちみつ】の食べ方・使い方
中国の西安では、伝統祝日「端午の節句」に食べる「蜂蜜涼粽子」というものがあります。
これは、ハチミツをかけて食べる冷たいチマキのことで、昔から伝統料理として親しまれているようです。
「ニュージーランド」での【はちみつ】の食べ方・使い方
ニュージーランドでは、古くからマヌカハニーを使用する習慣があるようです。
ほとんどの家庭にはマヌカハニーが常備されていて、食べる以外にも、歯磨き粉やシャンプー、石鹸などといった日用品にも使用されているそうですよ。
「ハンガリー」での【はちみつ】の食べ方・使い方
良質なはちみつが採れることで知られている、ハンガリー。
そんなハンガリーでは、紅茶やハーブティーにはちみつを入れる風習があります。
その他にも料理やお菓子を作る際によく使用され、日常の様々なシーンで食べることが多いようです。
「ブルガリア」での【はちみつ】の食べ方・使い方
ブルガリアには古くからはちみつを生産してきた文化があります。
コリアンダーから作られたものや、マノフという木の樹液から作られたものなど、珍しいはちみつがあるのも特徴。
食べ方としては、ピクルスを漬ける際にお酢とともにはちみつを入れるのが定番で、紅茶やハーブティー、クレープやパンなどにも、よく入れることがあるそうですよ。
【はちみつ】が出来るまで
ここからは、はちみつが出来るまでの製造工程について簡単にご説明します。
一般的な製造工程は、次の通りです。
【養蜂場(採蜜地)】での手順
ハチから花蜜を採集し、巣房に貯蜜する
遠心分離器で採蜜する
漉し器でゴミや蜜ろう、幼虫などを取り除き、原料蜜のみを採集する
原料蜜を缶に入れ、「業務用生鮮食品」の表示を行い、工場へ運搬する
【工場】での手順
養蜂場(採蜜地)から搬入したはちみつを湯煎して加熱処理をする
加熱処理したはちみつをろ過する
ろ過したはちみつを瓶などの容器に充填する
検品・包装を行い、必要に応じて「業務用加工食品の表示」、「一般加工食品」の表示を行う
はちみつは、一般的にこのような様々な製造工程を経て、消費者や食品製造業者の皆様のもとへ届きます。
さらなる製造工程の詳細については、「はちみつが出来るまで」という記事で解説していますので、詳しくはこちらの記事をご参照ください!
「製造・加工方法」で分類される【はちみつ】
続いて、はちみつが製造方法や加工方法によって、どのように分類されているのか確認していきましょう。
同じはちみつというカテゴリーであっても、その製造方法や加工方法で特徴も大きく変化するため、通常は以下の3つに分類されています。
- ・純粋はちみつ
- ・精製はちみつ
- ・加糖はちみつ
このあと、それぞれの特徴について順を追ってご説明します。
純粋はちみつ
「純粋はちみつ」とは、製造工程で一般的に行われる人工的な加工を一切していないはちみつのことをいいます。
いわゆる、「非加熱はちみつ」、「生はちみつ」、「ローハニー」と呼ばれているものです。
製造工程で一般的に行われる「加熱処理」や「ろ過処理」を行っていないので、本来の栄養成分がそのまま入っています。
ねっとりとした濃厚で、火を通していないので独特の渋みや苦みが少なく、風味豊かな味わいが特徴です。
精製はちみつ
「精製はちみつ」とは、「純粋はちみつ」を加熱処理・ろ過して、特有の香りや色を取り除いたものです。
主に、調味料や清涼飲料水などに使用されています。
はちみつ特有の風味が少なく、色や香りがすっきりしていますが、火を通しているため、若干の渋みや苦みも感じられるのが特徴です。
加工の工程で特有のクセが取り除かれていることに伴い、本来含有されていた栄養成分自体も少なくなっています。
加糖はちみつ
「加糖はちみつ」とは、「精製はちみつ」にさらに水あめやブドウ糖液などを入れて加工したもの。
スーパーなどに出回っている安価なものには、「加糖はちみつ」と表示されているものが多いです。
味わいとしては、はちみつの香りがほのかに感じられる程度で、甘さも比較的さっぱりとしています。
成分には砂糖が多く含まれているため、本来の栄養分も希薄です。
【はちみつ】の種類と特徴
ここからは、はちみつの種類と特徴についてご説明しましょう。
はちみつは、「単花蜜」と「百花蜜」に分けられます。
その名の通り、「単花蜜」は1種類の花から採れたもののことで、「百花蜜」は何種類もの花から採れたもののことです。
「百花蜜」は、異なる複数の花から採れるので、それぞれ違った風味や味わいを楽しめるのが特徴。
そして、「単花蜜」のはちみつには、次のような種類と特徴があります。
単花蜜 | |
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種類 | 特徴 |
アカシア | クセが少なくさっぱりとした風味、すっきりとした甘さ |
レンゲ | コクのあるまろやかな味、れんげの花の香りとほのかな甘み |
コーヒー花 | コーヒーの独特で芳醇な香りとほのかな酸味 |
ソバ | 強い香り、香ばしく濃厚な甘さ |
ミカン | 爽やかな香りと後味、フルーティーな酸味 |
オレンジ | オレンジの爽やかな香りとほのかな酸味 |
リンゴ | 爽やかでクセのない味わい、甘酸っぱくすっきりとした後味 |
クローバー | クセのないマイルドな口当たり、爽やかで上品な香り |
ラベンダー | ほのかな酸味、上品で豊かな味わいと香り |
ハニーサックル | クセのない味わい、絶妙な甘みと酸味のバランス |
マヌカ花 | 特有の香りや濃厚な甘さ、苦み(MGOという成分の含有量の高さに比例) |
ミント | ワイルドな風味と豊かなコク、華やかな香りと爽やかな味わい |
レモン | レモン特有の爽やかな香りとすっきりとした味わい |
ソヨゴ | 花の爽やかさ、上品な甘み、キャラメルのようなコクのある味わい |
トチ | ふんわりとした花の香り、まろやかながらさっぱりとした甘さ |
ハゼ | 酸味が少ない、優しく爽やかな花の香り |
たんぽぽ | 上品な甘み、ほのかな苦み、独特の香りとクセになる味わい |
ローズ | バラの優雅な香り、優しく上品な味わい |
ローズマリー | クセのない爽やかで華やかな香り、すっきりとした後味 |
タイム | ハーブ特有の辛味、シャープな味わい |
ヒース | 力強い濃厚なコク、黒糖を思わせるような香ばしい香り |
ヒマワリ | 深いコク、ほどよい濃厚な甘み、クセのない優しい風味 |
菩提樹 | 強い香り、清涼感のあるさっぱりとした後味 |
ここに記載した「単花蜜」だけでも、なんと20種類以上!
はちみつと一括りに言っても、それぞれの特徴があり、風味や美味しさも多種多様。
クセが強く、甘みや味わいが濃いものほど、はちみつの持つ色自体も濃く褐色化している傾向があるようです。
ぜひ、ご自身のお好みに合ったものを見つけて楽しんでみてはいかがでしょうか。
【はちみつ】に期待できる「効果・効能」
さてここからは、はちみつに期待できる効果と効能についてご紹介します。
はちみつは古来より、様々な薬効があると言い伝えられてきました。
旧約聖書や古代エジプトの医学書などにも記載があるほど、昔から健康に良いものと考えられていたようです。
主に、次のような効果・効能があるとされています。
なお、はちみつの1日の摂取目安は大さじスプーン1、2杯程度です。
少量ずつ継続して食べることによって、効果や効能が期待できます。
過剰摂取はかえって肥満や腹痛などの原因になる可能性があるため、必ず摂取目安を守るようにしましょう。
疲労回復
はちみつの主成分は、「単糖類」に分類される果糖とブドウ糖。
どちらも消化吸収に優れ、体内に吸収されるとすぐにエネルギーに変わる性質を持っています。
ブドウ糖は人間にとってとても重要な栄養素の一つで、脳が唯一エネルギーとして利用できる物質です。
また、果糖は体内の血糖値を上昇させにくいようにコントロールする働きを持っています。
血糖値の上昇を抑えつつ、エネルギーを素早く補給して疲労を回復する効果が期待できるのでオススメです。
風邪の予防
はちみつには、人体の機能や免疫力を保つために必要不可欠な栄養成分であるビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
近年では、はちみつの持つ抗菌性がのどの痛みや咳を軽減する可能性があるという研究結果も報告されているようです。
はちみつを食べることで必要な栄養成分を補いながら、風邪予防の効果も期待できますよ。
オーラルケア
はちみつは糖分が約80%と高濃度のため抗菌性があるとされていて、口内の菌の増殖を抑える効果が期待できます。
特にマヌカハニーは、数々の実験によって、その抗菌力の高さが明らかになっているようです。
気になる口臭や舌の汚れが気になるときには、スプーン1杯程度のはちみつをそのまま舌の上に乗せ、口全体に行き渡らせるようにすると良いかもしれません。
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≪参考リンク≫
- 蜂蜜 – Wikipedia
- マヌカハニー – Wikipedia
整腸作用
はちみつには、整腸作用もあるとされています。
その理由は、腸内の善玉菌の働きを促進する作用をもつオリゴ糖やグルコン酸が豊富に含まれているため。
腸内環境の改善や便秘解消のみならず、肌荒れや冷え性といった悩みにも効果が期待できます。
身体の中からキレイを目指したい方にオススメですよ。
ひみつを知れば【はちみつ】がさらに美味しく!
はちみつの持つ「ひみつ」といった視点から、あまり知られていないような意外な一面として、歴史や文化の他、製造工程、種類や効果・効能まで、まとめてご紹介しました。
普段身近にある食品も、改めて色々な発見してみると、食べたときの感覚もまた一味違って、さらに美味しく感じられるはず。
本記事が、はちみつをもっと美味しく召し上がるためのきっかけになりましたら幸いです!